60/70年代鉄道模型コントローラーの歴史: 棒を立てるだけで往復運転できたOゲージからNゲージ誕生まで
「また鉄道模型の新刊かい?」
「書いて出てくる話題もあるから連続で書いた。一応、鉄道模型三部作ということで、ここで一区切りになる予定だ。後は別にどうでもいいだろう」
「なるほど。それでこの本はなぜ書いたんだ?」
「トミーや関水金属のコントローラについていろいろ調べたのでね」
「なるほど」
「だが、Oゲージのコントローラの仕組みを、実際に使ったことがある人間が解説できるケースも減っているだろうと思って、コントローラーの歴史を書いたのだ」
「70年代までしか分からない男なのに?」
「実は、70年代にはほとんどの技術の萌芽が産まれていたことに気付いたよ」
「ビックリ! ではこの本の目玉はなんだい?」
「父が自分でスパイクした三線式Oゲージ線路の写真とか、方向切り替えスイッチや集電シューが付いたOゲージ車両の底面の写真とかじゃないかな」
「そりゃ、確かに今どき珍しいものだな」
「まあ、古い話だけなら、一般に流れてこないようなものがいろいろあるからな」
「新しいものは?」
「大したものは何もない」